ようこそNOYワールドへ。異文化との遭遇をキャラクターたちの営みを通してダイナミックに描くNOYさんにお話を伺いました。

1.自己紹介をお願いします。
NOYといいます。大阪生まれで、現在は東京を拠点にイラストレーターとして活動しています。これまでにグッズやCDジャケット、雑誌の挿絵などを手がけていて、自分自身でリソグラフ印刷で作品制作なども行っています。
2.イラストレーターになったきっかけはなんですか?
絵を描き始めたのは小さい頃で、当時はカードゲームが大好きでした。今でも好きなのですが、オリジナルのモンスターを描いて遊んでいたのが絵を描く原点だったと思います。人間よりもモンスターや動物を描くのが特に好きでした。
イラストレーターとしての活動を始めたきっかけは、もともとカメラマンになるために東京へ上京したことです。ただ丁度コロナ禍に入ってしまったタイミングで、営業中のスタジオが少なくなってしまったので、イラストをまた描き始めました。 SNSに投稿したところ、フォロワーが増え、展示の機会も増えてきたところで、徐々にイラストレーターとしての道を歩み始めました。
3.モンスターや動物をテーマにした作品が多いですが、関心を持つようになった背景を教えてください。
先ほども少しお話ししましたが、幼少期から『遊戯王』、『デュエル・マスターズ』や『ヴァンガード』など、さまざまなカードゲームに触れてきました。ゲームをプレーするというより、イラストを見たり、集めたりするためにやっていたようなところがありましたね。
当時は今のようにネットで簡単にイラストを検索できる時代ではなかったので、実際にパックを買って現物を見るしかなく、そうした体験が今の創作のベースになっていると思います。
──特に思い出深いカードであったり、絵を描きたいとインスピレーションを受けたカードなどはありますか?
『遊戯王』の「ジャンク・ウォリアー」というカードがすごく印象に残っています。僕が遊戯王に夢中になっていたのは、“シンクロモンスター”と呼ばれる新しいタイプのカードが登場した時期です。
(ジャンク・ウォリアー、遊戯王OCGカード)
飛行機のようなフォルムに、ヒーローっぽさもあるデザイン。色使いも独特で、少年心を刺激され、自分でもメタリックで機械的なデザインのキャラを描くようになったきっかけになったと思います。
4.今回リリースされる「海洋民族シリーズ」のこだわりを教えてください。
今回のシリーズに限らず、作品制作においては常に「文化」や「営み」を描くことを意識しています。例えば、お祭りの風景や料理シーンなど、人間らしさのある営みを描くのが好きです。
「海洋民族」シリーズでも、異文化に触れたときの驚きや畏敬、高揚感いった複雑な感情を大切にしています。それをイラストを通じて見る人にも伝われば嬉しいです。
──確かに今回のキャラクターたちには、どこか可愛さと同時に不気味さも感じられます。参考にされた具体的な民族はありますか?
(海洋民族シリーズのキャラクターのクローズアップ)
具体的には、ニュージーランドやオーストラリアの昔の海洋民族をイメージしています。まだ地図もない時代に、どうやって島から島へと船で渡っていたのか、そういった未知の世界にとても惹かれました。
5.今後挑戦してみたいことがあれば教えてください。
イラストをアニメーションとして動かしてみたいという思いがあります。将来的にはミュージックビデオなどの映像作品にも関われたら嬉しいです。
また、個人的な趣味としてゲーム制作にも興味があるので、さまざまな形で表現の幅を広げていけたらと思っています。
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